会報23号「睡眠導入剤増える服用者」

1.興津発電所騒音、睡眠薬に頼る発電所近隣住民

釧路市内の病院に勤務されている看護師さんから、最近、通常ではない事態が起きているとのお話しがありました。

 夜、眠りにつく際、寝付けないと訴える患者さんが増えて、睡眠導入剤の処方を求める方が大幅に増えているとのことです。

 最近はその処方数がたいへん多く異常な事態です。

 釧路石炭火力発電所の騒音で眠れないと訴えています。

 釧路石炭火力発電所は特殊なタイプの発電所です。ボイラーに流動床という形態を採用しています。

この流動床という形態は、地震の際に発生する液状化現象を人工的に作り出し、その液状化状態の中に石炭などを投入して燃焼させる型式です。

 固体の状態での燃焼よりも、液状化の燃焼の方で燃焼効率が上がり採用されています。

 しかし、地震の際の液状化を再現するために、大きい振動、騒音が発生します。

 釧路石炭火力発電所のように住宅地の中で稼働させるには無理があります。

 事実、多くの住民の方々からたくさんの苦情が当会に寄せられています。

 釧路石炭火力発電所は大和証券などの投資金融機関関連会社が建設したものです。地産地消などではありません。住民の騒音被害のことには関心がないようです。

 福島原子力発電所の事故により、電気代が高騰し、大和証券などが一時的な利益を狙って建設された発電所です。

 SMBC大和証券として提携していた三井住友銀行はこの建設に反対しました。しかし、大和証券などは強引にこの発電所建設を押し進めました。

 釧路石炭火力発電所と同じ形式のボイラーを採用している仙台バイオマス発電所では、騒音、振動、低周波音が1,000m先まで影響が及ぶとその環境アセスメントの中ではっきりと明記しています。

 当然に仙台では、防音ガード、防音壁など必要な対策が取られています。

 釧路石炭火力発電所も防音対策を取るとしていますが、多くの騒音を発生させており、本当にどのような対策を取っているかの疑念を持たざるを得ません。

 お話しして下さった看護師さんのおっしゃられる通り、夜に眠りに付けない住民の方々が多数おられます。そして、睡眠薬に頼っています。異常事態です。

 住民の平穏な生活を侵害し、運転を続けている釧路石炭火力発電所は一刻も早く停止させなければなりません。

2.PKS(パームやし殻)より悪臭発生

釧路石炭火力発電所の周辺の住民の方々から、「発電所から強烈な石鹸、薬品臭がする。」との苦情がありました。

 当会が調査を行い、その結果、会報表面の写真の通り、釧路港第4埠頭に、釧路石炭火力発電所で燃やされるPKS(パームやし殻)が大量(15,000トン)に置かれているのを確認いたしました。

 そして、その大量に置かれたPKS(パームやし殻)から猛烈な石鹸、薬品臭の悪臭を放っていることを確認いたしました。

 PKS(パームやし殻)は、パームやしのパーム油を絞ったあとの残さ物です。

 パーム油は、食用油、マーガリン、ショートニング、石鹸などの原料になるものです。

そのPKS(パームやし殻)に付着しているパーム油が発酵し、猛烈な悪臭を発生させています。

 このPKS(パームやし殻)が住宅地に持ち込まれて使用され、悪臭を発生させます。 下表に示します通り住宅地は規制の200mの範囲内にあります。

 このような悪臭を放つ公害物質を住宅地で燃やすことは即刻止めるべきです。

3. 環境項目ごとの影響範囲

環境省が明示しております、環境アセスメント自主基準を参考に作成いたしました。

 発電所の規模、発電方式の型式(循環流動床式)が同じ仙台バイオマス発電所を参考に明示いたしております。

 すべてが、住民の生活圏に入ります。

  • 大気質 排気筒からの排出ガスが大気質に影響を与えるとされる範囲

発電所敷地境界からの距離 3,400m

  • 騒音・振動・低周波音 騒音・振動・低周波音の影響を与えるとされる範囲

発電所敷地境界からの距離 1,000m

  • 悪臭 燃料であるPKS(パームやし殻)の貯蔵施設からの臭 気の漏洩による影響を与えるとされる範囲。

発電所敷地境界からの距離 200m

  • 電波障害   電波障害を与えるとされる範囲。

発電所敷地境界からの距離 120m

PDFファイルです。

https://nocoal-kushiro.jp/wp-content/uploads/2021/09/釧路会報23号完成版.pdf