会報第18号:石炭を燃やすのは止めさせよう

石炭を燃やすのは止めさせよう

 「この世界は悪いことを行う者に破壊されるのではなく、その悪いことを行っている行為を目にしても何の行動も起こさないものによって破壊される。」
 20世紀最高の物理学者アルベルト・アインシュタインの言葉です。
今、私たちは、グローバリゼーションを推し進める経済第一主義のもとで生活しています。
 コロナウイルスの対応においてもウイルス対策か経済がで政府の政策が迷走しています。
 コロナウイルスは、現在私たちが生活している地球環境の異常性を警告しています。
 気候危機が進む今の地球環境は現在大火事の状態です。今、私たちが何らかの行動を起こさなければ温暖化暴走という事態が勃発し、人々がどんな対策を行っても追いつかない状態に陥ります。
 今すぐに、行動を起こして、声を上げることが重要な証左です。
 ヨーロッパの中央銀行では、日本で言うと日本銀行であるECB(European Central Bank、ヨーロッパ19ケ国加盟)は気候変動問題に対処する部門の設置を行いました。
 このヨーロッパとの連帯を表明した、アメリカのバイデン大統領もこの気候変動対策の流れに乗ることでしょう。
アメリカが動き出すことにより、当然に日本政府も気候変動問題に係る動きが明確に表れて来るはずです。それは日本全国各地にも及ぶでしょう。
 また、600兆円の資金を動かし、世界中に影響を及ぼしている世界最大の投資ファンドのブラックロックというも投資先企業に脱炭素を求めると表明しました。
 ブラックロック投資ファンドはいわゆる「物言う株主」です。このブラックロックは大和証券の大株主でもあります。
 釧路火力発電所を運営しているIDIインフラストラクチャーズの大株主は大和証券です。大和証券も脱炭素の取り組みをはじめなければならないでしょう。
 また、70兆円の保有資産のある日本生命は、投資先に対し二酸化炭素の排出の削減を提案し、その取り組みが不十分だった場合、その投資から撤退すると表明しました。
 私たちは、このような世界、国内の脱炭素の経済改革の潮流の中で、釧路火力発電所の運営しているIDIインフラストラクチャーズの大株主である大和証券に対し質問書を送り、脱炭素、気候変動に対する考え方を問うております。
 日本を代表する企業である大和証券は、現在、世界の当然の共通理解の脱炭素の経済、社会政策を一刻も早く対処しなければなりません。
 釧路市の家庭から出る二酸化炭素年間52.8万tの量に匹敵する51.2万tを排出する釧路火力発電所の稼働は問題があると言わざるを得ません。
 釧路火力発電所の稼働を今一度再考することを求めます。

釧路火力発電所稼働から2カ月が過ぎ、
協定値を越える騒音が住民を悩ませる!

 釧路新聞の1月20日第1面におきまして、12月8日に釧路市職員が騒音調査を行ったとの記事が掲載されました。
 この日は、私たちも騒音測定を行なおうとしましたが、12月8日は煙突から全く煙が出ていない状態であり、測定は中止しました。

 後日、発電所が稼働している際に騒音測定を行うと、規制値を超える事象も現れました。
 住宅地のすぐ側での火力発電所の運転はやはり無理があります。
 当会には地域の住民から騒音が発生しているとの情報も入っており、住民を悩ませているのです。

バイオマスを使った発電は炭素中立ではない
500名以上の科学者が書簡を提出!

 2月11日、42の国と地域の500名を超える科学者が日本政府に対し、木質バイオマスを使った発電はカーボンニュートラル(炭素中立)ではないと主張する書簡を提出しました。
 書簡は米国政府、欧州連合(EU)、及び韓国政府にも同時に送付されました。
書簡では、バイオマスの発電利用により森林が伐採され、森林に蓄えられている炭素が大気中に放出されること、森林の再生には時間がかかり、数十年から数百年にわたって気候変動を悪化させること、バイオマスの発電利用は化石燃料を使用した場合の2~3倍の炭素を放出する可能性が指摘されています。
 また、各国政府は気候変動対策として、バイオマスを燃焼することに対する補助金やインセンティブ(奨励)により、実際は気候変動を悪化させていること。そして、真の排出削減を目指すには、森林を燃やすのではなく、保全と再生に努めるべきことを述べています。
 石炭の使用と同様に、森林を大量に伐採するバイオマス発電もまた、環境破壊を引き起こすもので、今後の開発はすべきではありません。

釧路火力発電所を考える会会報第18号(PDF)