会報21号釧路火力発電所は安定稼働か?
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釧路火力発電所は安定稼働か?
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5月6日、復興副大臣の横山信一氏が釧路火力発電所を視察されました。視察後の釧路新聞社との会見では、「釧路火力発電所は安定的に稼働している。」と述べられました。
横山大臣は、かねてより地球温暖化、CO2排出問題に取り組まれており、再生可能エネルギー、水素社会の構築等の環境問題に対する種々の影響ある提言をされておられます。
しかし、「釧路火力発電所は安定的に稼働している。」と述べられたことに対しては疑問を感ぜずにはおりません。
釧路炭鉱の石炭を使用して発電する場合、1Kwの電気を作り出すのに14円から15円の費用がかかります。当初はF-Powerという新電力会社に発電した電気を買い取ってもらう予定でしたが、F-Powerは北海道から撤退して、3月に破綻してしまいました。
釧路火力発電所は11万2000Kwもの電気を売りきるためには、JEPX(電気卸取引所)で買い取ってもらうしかありません。現在、JEPX(電気卸取引所)での取引価格は1Kwあたり6円から7円という低価格が常態化しています。
14円から15円で電気を作って、6円から7円で売ると当然に赤字になります。仮に、11万2000Kw全てをJEPX(電気卸取引所)に売り出した場合、1時間あたりで80万円近くもの赤字になってしまいます。
また、当会に寄せられた情報では、釧路火力発電所を建設したJFEエンジニアリングに対して80億円の建設費未払金があり、これから返済をしていかなければならないとのことです。
釧路火力発電所を経営しているIDIインフラストラクチャーズは、破綻したF-Powerに多額の電気代金の売掛金があり、回収できずに厳しい経営状況にあるとのことです。
:現在の石炭火力発電(二酸化炭素排出)バッシングの状況下、石炭火力発電所に手を差し伸べる金融機関は現れないことでしょう。
このような状況下、「釧路火力発電所は安定的に稼働している」とは言えないでしょう。
発電所復水器の冷却水の処理施設。一日4,000tの処理を行う。一般排水を引き入れるため、排水管から臭いが逆流して近隣の住宅の浴室、台所の排水口から臭いが出てきます。
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アメリカ炭鉱労組クリーンエネルギー政策を支持!
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時代は脱炭素に向かい確実に動いています。
4月20日のアメリカNBCニュースは、アメリカの炭鉱労組が「バイデン大統領のクリーンエネルギー政策を支持する」と伝えました。
議会の審問に対し組合代表者セシル・ロバーツは「社会情勢の変化により混乱させられている炭鉱夫のため、再生可能部門での給与支給が確実に行われる就業訓練とその後の再生可能部門での納得できるだけの給与保証」を要請しました。
また、「私たち、この国の多くの炭鉱労働者と彼らの家族は、社会情勢の変化に伴う多くの損失を被っている。私たちはバイデン大統領のクリーンエネルギー政策に関して話し合うことを待っていた。」とも答えました。
さらに、父親の跡を継いだ炭鉱夫のゲイリーキャンベルは電話インタビューの中で「国民は、炭鉱労働者が国の歴史を通して何をして来たのかを忘れています。戦争においても、人々の生活のなかでも。私たちは炭鉱で働くことについての誇りをまだ持っています。
それゆえ、石炭に背を向けているわけではありませんが、誰も私たちの住む惑星が台無しになるのを見たくありません。私たちは、それが私たちのせいになることを望んでいません。自分の仕事がここにないことが分かった場合は、他の場所を探す必要があります」と述べました。
バイデン大統領は「インフラストラクチャ(建設物)計画」において200兆円の風力、太陽光、その他再生可能エネルギープロジェクトのグリーンエネルギーへの大規模な投資を提案しました。この200兆円のなかには、炭鉱労働者などがグリーンエネルギーなどへの新しい仕事に移行する際、彼らを雇用することへの補助金5000憶円も含まれています。
このように、アメリカにおいて、政治と炭鉱労働者が一体となり脱石炭に向けた動きが顕著になってきました。
このようなアメリカのグリーンエネルギーの動向は、遠くない将来に日本にも訪れ脱石炭は避けられない社会情勢を作り出すでしょう。
釧路市における政策の方向性、産炭地振興基金などの予算も、本来は炭鉱産業、炭鉱労働者のためのスムーズな雇用転換に向けられるのが本来向かうべき道でしょう。
石炭産業はその変革の時が来ています、その時が来て慌てることなく、眼前に迫って来ていることを認識し賢明な行動を選択することが求められます。
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高調波(ひずみ波)発生の疑い
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発電所近隣に住む方々から、変圧器の励磁音のような音が感じられ、視聴中のテレビが複数回映らなくなったとの事例が寄せられました。
現地の調査を行ったところ、スマートフォンのブルートゥースの作動に不具合が発生しました。
このような状況を考慮する場合、発電所内の機器類(変圧器、、インバータ、照明の安定器など)から整流平滑回路の高調波(ひずみ波)が発生(変圧器の励磁突入電流磁気飽和、整流平滑回路コンデンサ充電電流など)している可能性があります。
これらの機器から高調波のノイズが発生している場合、通信への悪影響、機器の誤動作などが引き起こされます。
最悪の場合は、機器に組み入れられているコンデンサやリアクトルというものが振動、加熱を起こして危険な状態になることもあります。
発電所内では、夜間に住宅のすぐ近くの塀の内側で多くの照明を使用して作業を行っています。
今一度、変圧器、インバータ、照明の安定器などの高調波対応機器類(Δ結線回路、リアクトル回路など)がきちんと機能しているのかを点検する必要があると思われます。
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PDFです。
https://nocoal-kushiro.jp/wp-content/uploads/2021/05/釧路会報21号完成版.pdf