会報第12号発行:ほんとに地産地消?!売電先が決まらない釧路石炭火力発電所
2020年8月20日、会報12号を発行しました。
ほんとに地産地消?!売電先が決まらない釧路石炭火力発電所
釧路市民の方々と釧路石炭火力発電所のお話しをさせて頂くことがあります。その際、「ブラックアウトで停電になったとき、地元に発電所があると電気がすぐに使えるからいいじゃないか。」と言う声をよく聞きます。それは本当にそうなのでしょうか。
釧路石炭火力発電所は、北海道電力ではなく新電力に売電すると言っています。新電力とは、旧一般電気事業者(北海道電力、東北電力、東京電力など)ではなく、電力自由化以降、電気を販売するようになった新しい電力小売事業者です。新電力に売電するにしても、まずは発電した電気を一般送配電事業者(北海道電力)の送電線、配電線に流すために、電力系統に接続することが必要になります。電力系統に接続している限りは、北海道胆振東部地震の時のブラックアウトのような状況に再びなった場合に、電気がすぐ使えるという状態にはなりません。非常時の対応のためには、発電設備を自立型電源として利用できるようにする必要があります。例えば、太陽光パネルを設置している家が、地域で停電になったときに、太陽光発電を自立運転に切り替えて自宅専用の電力として使えるようなるといった具合です。釧路火力が、果たしてそのような準備をしているのでしょうか。
さらに、11月より本格発電が始まろうとしている状況においても、まだ(6月18日現在)電気を買ってもらう新電力が決まっていません。当初は、釧路火力発電所の出資者(IDIインフラストラクチャーズ)と同じ出資者であるF-Powerという新電力が買い取るとのことでしたが、このF-Powerは北海道の電力小売り事業から撤退してしまっています。もちろん、東京などで電力小売り事業を展開するF-Powerに売電することも可能ですが、それでは地産地消とは呼べません。
地産地消を前面に押し出し、推進して来た石炭火力発電所ですが、釧路管内の市民、釧路管内の企業に電気を売ることが未だに決まってないのではないでしょうか。
釧路の西港、南埠頭には海外石炭が大量に荷揚げされております。これら大量の石炭が釧路西部の2つの製紙会社が使い切れるとはとても思えません。すでに試運転が始まっている釧路火力で今後使っていくためのものなのではないかと疑っています。「地産」についても、本当に釧路産の石炭が使われるのか疑問です。
このような状況下で本当に地産地消としてこの釧路石炭火力発電所が、我々釧路市民の糧となり得る事業なのでしょうか。市民の皆様、この件に関してどう思われますか。どうぞ貴重なご意見をお聞かせ下さい。
「釧路石炭火力発電所を考える会」の応援をよろしくお願い致します。