釧路火力発電所の公害防止対策の不備について釧路市に確認
6月8日(月)、考える会では、会員の小山が、市議とともに釧路市環境部を訪問し、先日、釧路火力発電所側との話の中で「排煙脱硫装置と排煙脱硝装置を取り付けない」としたことについて、釧路市の考えを求めました。
排煙脱硝装置と排煙脱硝装置のない設備
先日の釧路石炭火力発電所との面会で、所長が「排煙脱硫装置、排煙脱硝装置は設置していない。」と驚くべき回答をしました。
釧路市と釧路火力発電所の間で取り交わされた「公害防止協定」では、第4条で「排煙脱硫装置等を設置する」、第6条で「排煙脱硝装置の設置等」と書かれており、発電所の対応は公害防止協定にも反するものです。釧路市側が協定書のこの件について、どの様な認識の下で調印したのかを確認しました。
これに対して、葛西係長は「「排煙脱硫装置」「排煙脱硝装置」が設置されていないことには、特に注目していない。」と回答。釧路の石炭は優良で、それらの設備がなくても硫黄酸化物等が環境基準を満たしている限り問題ないのではないかというのです。
「釧路の石炭は優良としても石炭は石炭だ。釧路の石炭は硫黄分0.3%ぐらいだが、他は0.6%から1.0%ぐらいであるとは認識しているが、だとしてもそもそも20万トンも燃やしたら問題なのではないか。「排煙脱硫装置」「排煙脱硝装置」は必要ではないか。」とこちらの見解を伝えました。
しかし、市側は「北海道の環境アセスメントを通っている。問題はないのではないか。」と発電所側に対応を求める姿勢を見せませんでした。
「公害防止協定」では、より一層の公害防止、良好な環境維持を謳っています。近くには、学校、福祉施設が複数あり、「公害防止協定」に謳っている公害防止の精神をより強く進めるべきです。
こうした考える会の見解に対して、森課長からは「おっしゃられることはよく分かるが現時点では如何ともしがたい」との答えでした。なぜ「現時点では如何ともしがたい」のでしょうか。
煙突の高さが不十分
さらに、煙突の高さについても確認しました。釧路火力発電所長の説明では煙突の高さが57メートルとのことで、11万2千kw給の発電所では80メートルが一般的であり、K値基準での計算では132メートルになるはずです。
これに対しては、葛西係長が「確かに建設委員会でも低いのではないかとの意見がでた。煙突の内径を3メートルと狭くして流速を上げ、排煙の吹き出しの温度を高くして、仮想の煙突高さを高くしている。」とのことでした。
仮想の煙突高さの設定は、風速1メートルという無風状態で計算しており、粉じんの住宅地飛散のリスクを拭えません。
しかし、これに対しても「環境アセスメントを通つている」と問題視しませんでした。
騒音問題
協定の細目書第6条の中で、70デシベル(セミが直近で鳴く音)とされている点についても、住宅地の許容限度を超えているのではないかと質問しました。
これについても「釧路火力発電所敷地内は、準工業地域指定となっており、基準内だ。」と問題はないとの姿勢を示しています。